2008年の本棚best3

少し早いけれど恒例の今年のベスト3。まだ読んでいる最中の本も、年末年始に読む予定の本もたくさんあって、この本棚に収録できていないだけなのだけれど・・・。まあでも、ひとまず収録できたものから。

読んだ本の非常に少なかった年。ベスト3というより、これが一番の反省点。その苦しい少数の中からでも選んでみると──

第3位 わたしを離さないで/カズオ・イシグロ

わたしを離さないで


Neve Let Me Go

これは昨年のベスト。なお考えさせられ続けている、心に残した影響が大という意味で2年連続のランクイン。


第2位 悩む力/姜尚中

悩む力


集英社新書

半年で50万部突破という、購入当初はまさかここまで話題になりベストセラーになるとは予想もしなかった本。

よくあるポジティブ思考でない、「起きていることは全て正しい」なんて根拠のないオプティミズムでもない、気楽にちょい悪に軽やかにでもない、何でも脳で解決しようとするものでもない。

世にあふれる啓蒙書の多くは、目が見えて耳がきこえて手足が普通にあって、努力で解決できる、挑戦できるものばかりで僕には説得力を持って届かない。人間には本人の努力では変えられない、どうしようもない属性がある。だから悩む。

「悩んでどうなるものでもない」というのは確かにそのとおり。でも、目をそらすより自分を悩ませる正体に向き合って生きる方が解決できるものでなくとも苦しくとも有意義ではないか。

最初、惹かれたのは著者の在日という出自と漱石を頻繁に引用しているという点。漱石の小説も女々しい。でもそれが人間の本質だからこそ読み継がれる。今年は漱石を一冊も再読できなかったのも残念。


第1位 「山月記」再び/中島敦

「山月記」再び


山月記(新潮文庫)

漱石同様、こちらも日本文学最高峰に位置するだろう中島敦の再読(再々々々・・・読)。

何度読んでも心の深くに突き刺さる。言い訳めいてしまうが、これ一冊で他の本を全て凌いでしまう。さらっと読める小説など読む気が失せてしまう。手に取る気になれない。

中高生の教科書文学であり永遠の「青春文学」。十代の心も響かせるが、世に出て齢を重ねてさらに身に沁みてくる。

何にしても来年はもっと読もう。



 

  Related Entries


Message

メールアドレスが公開されることはありません。