鷗外・小倉日記 中年の挫折と晩年の奮闘

好天の週末。仕事のないのは数ヶ月ぶりくらいの(^^;) ゆっくりと寝て遅くに起きた日経朝刊を読んでいたら日曜紙面のNIKKEI The STYLEが「森鷗外の『小倉日記』をたどる 中年の挫折と晩年の奮闘」。

前回エントリしたように鴎外は好きな作家で、関心をもって読むうち、予定のない好機と思い付いて14時過ぎに小倉を目指す。高速で1時間20分、2時間半の滞在ながら、鴎外旧居~小倉城~松本清張記念館の散策ができた。

小倉は、5年前の盆頃の土日に仕事で研修視察に出向いて以来。小倉城近くのホテルに泊まっていたので、夕暮れ、歩けて(ジョグ)いたものの、当然、城内には入れなかったので今回、4年半越しに叶えられてよかった。同じくその時に立ち寄れずに残念だった清張記念館も今回しっかり。当時、道沿いに見ていたので、今日もいったん通りに出て数百メートル歩いたが、ぐるっと廻ってみたら、小倉城から30m先に隣接していることを知る(^^;)

当時の視察というのは、その年から山口でも始めることにしていた研修で(自分の職場は主催研修がとても多くて先週日曜も昨年に始めた医師向け研修だったり、最近も来年度の新たなものや追加などで調整中とせわしない)、福岡県の厚意をいただき色々と参考にすることができた。今年度が5回目の実施で事業自体も、その後、法律が新たに制定されたりと重要度の高いものになっているが、山口の研修が評価をいただけているのもこのときに多くを学べたから。

泊まった宿や小倉城など、そんなことも思い出しながら今日は仕事を気にせず(そうはいえ、思い出してるわけだが)束の間の小倉滞在を愉しむことができた。鴎外の生地津和野の方は相当頻繁に行っているが、小倉城と清張記念館もまだ十分見切れていないので、今後は時々、小倉に出向いてみようと思う。

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聴覚障害女児の逸失利益

多くのところで述べられているが、自分も一言。

5年前の事故を起こして損害賠償を求められた被告側が、女児の将来得られたはずの「逸失利益」は聴覚障害者全体の平均賃金を考慮して健常者の6割にとどまると主張したときから自分の胸の内はざらついていたものの、まあ、被告が罪を認めず開き直る、勝手なことをいうのはよくあること。

それがまさか、社会の良識を示すべきはずの裁判所(大阪地裁)の判断が、(1)被告の主張する障害者は健常者より劣ることを肯定し、(2)60%とする被告の主張に85%という根拠の不明な中途半端な数値を持ち出して、「一定の配慮」?をみせようとした不可解な判決には、失望を通り越して憤懣遣る方なし。

将来の可能性を現在 ──という以上に過去の旧弊の積み重ね── の結果のデータではじき出す愚策と、障害で「能力」が劣ると本気で思っている貴方の「能力」はいかほどか? という、憤慨は判決が出てから3週間、毎日、消えることがない。

各種メディアが紹介しているとおり、逸失利益の算出に男女差は既に無い。女性の社会進出が広がる中で男女差解消は定着されている。ただ、実際に賃金構造基本統計調査(厚労省)をみれば分かるように、「結果として」男女差は依然として大きい。でもそれと逸失利益との考え方は別。それが当然の、でも障害者差別は解消されなかった。大阪地裁の女性裁判長は、社会の良識の中で女性の地位が向上してきたことを障害には当てはめられなかったのだろうか。

ざっと見たところの新聞記事。

社会環境の変化や個々の事情を適切にくんだ柔軟な判断が必要(2023/3/15読売)

現在の統計は、「社会的障壁」を十分に除いてこなかった過去の社会の反映だ。それを判断の出発点にするのが果たして妥当だろうか。(2023/3/1朝日社説)

最近、公開された映画のなかで最も評判の高い作品の1つ「ケイコ 目を澄ませて」。聴覚障害のある元プロボクサーの自伝が原作。取材に訪れた記者の質問に会長が答える。勝利を重ねる彼女に特別な「才能はない」。でも「人間としての器量がある」。・・・他者の痛みが分かる、器量がある大人になったはずだ。その損失は計り知れない。(2023/3/1 日経 コラム「春秋」


共生社会づくり県民フォーラム

ここ数年、私的な時間がもちにくくブログもめっきり少なくなっていますが、仕事関係でのエントリ。

期間限定ということもあり、是非、ご覧いただきたいもので、道下美里さんと地元TV局のアナウンサーによる対談動画で、もとても楽しい啓発動画になっています。

共生社会づくり県民フォーラム(Web開催)

道下さん、アナウンサー、TV局ディレクター、それにサイト内のその他の動画も含め、これまで色々とご縁があったがゆえに企画できたもので、仕事以外での自分の人生の中の関わりが最大限活かせました(^^)  出演依頼のアポ、コンタクト、日時、会場設定、カメラマンや機材の手配、脚本(シナリオ)、衣装、それに撮影後の手話や字幕の編集・・元々ゼロ予算に近いところでやっているので、素人の立場ながらほぼ全て立ち回り、テレビ番組1本つくるとはこういうことか、と苦労の中で少し理解できて面白かったです。会場も学生時代からなじみの大濠公園だったし。

2本、自分が手話で出ているものもあります。そういうこともコスト面というより、職員が自ら、という意義の方が大きくて良かったと感じています。

魚玄機

今読んでいる鴎外の「山椒大夫・高瀬舟・阿部一族」(角川文庫)の一遍。

昨年末、京都へ高校駅伝観戦に出向いた際、手持ち無沙汰に読めれば、と思って駅チカのくまざわ書店にて買ったもの。京都だから(高瀬舟)というのではなく偶然の、店内は狭いスペースにもさすがの品揃えで選択肢は沢山あったが、悩ましいときほど結局自分はこういう古典に落ち着いてしまう、というのが一度ではなく、昨年夏に広島に出かけたときも「山椒大夫・高瀬舟」(新潮文庫)だった。

角川と新潮とでメインは同じながら収められた短編のひとつふたつでも違えば十分だし、ずっと昔の同じ版も何冊かあるはずだし・・の中、今回は何より装丁も良かった。手拭い、紗綾形ということで和風でクラシカルなところが作品にもぴったり。

表題作の短編は初めて知ったもので、でも賢いATOKはちゃんと変換する。

鴎外の作品は、注釈だけで数十ページある難読な、よくこんな文章が書けるなという感嘆と、まあでも比較的短編なので何とか読み通せる読み甲斐というか、で繰り返し読んで飽きない。多分、今後も。

最近は、一年に一度書けるかどうかの記事ながら、時々はメモしておきたいと思った。

玄機は才智に長けた女であった。其詩には人に優れた剪裁の工があった。温を師として詩を学ぶことになってからは、一面には典籍の渉猟に努力し、一面には字句の錘錬に苦心して、殆寝食を忘れる程であった。それと同時に詩名を求める念が漸く増長した。

其征辞は、「孔門以徳行為先、文章為末、爾既徳行無取、文章何以称焉、徒負不羈之才、罕有適時之用」(こうもんはとくこうをもつてせんとなし、ぶんしようはすえとなす、なんじすでにとくこうのとるなし、ぶんしようのなにをもつてかしようせられんや、いたずらにふきのさいをたのみて、てきじのようあることまれなり)と云うのであった。

Festina Lente 2023

しばらくぶりの更新です。

ここ数年ずっとそんな状態ですが、諸々にアタマもカラダも使い通しで週一のブログ更新もままならず。

3年ぶりの年末年始休暇でやっとできたタイヤ交換(遅い..)、ブログの不具合解消(テンプレート入替)、箱根観戦。

走る方は、月間100km前後がやっと、の状態でマラソン1本のみ出場のここ2年。最近は、1日3km走れると充分満足な、走力は落ちてもこれくらいが逆に健康的でもあり。

タイトルは、7年前にも同じエントリをした、開高健の好んだ言葉。
今は毎日が刺激と昂奮にあふれて心身の休みも得にくいながら、足早に流れる時の中にも努めて心の余裕をもてるように、の意味で40年ぶりくらいに書き初めをしてみた。

五月雨/市選手権

ダメ元で1500mに申し込んでいたが、

いわゆる会期中、というやつで、やはりDNS。

土曜13時20分スタートなので、もしかすると間に合うかも・・とクルマにユニフォームとレースシューズ(と体調管理チェックシート・笑)を準備していたが、淡い期待に終わる。

市選は確か7年前に出たのが最後(だと思う)。当時は、今日の日本選手権、田中選手のように2種目出場(5000m+1500m)でも十分走れていたが、ちょうど、それ以降からくらいから、走るに走れず、の理由が仕事絡みになってきて、ここ数年は防府読売や東京マラソンなども同じパターン。

タイミングが合うのを辛抱強く待つこの頃。(退職後?)

What’s Going On

カッコイイがないと

5週前に続いての宇崎竜童氏パーソナリティ、今こそ反戦歌を聴こう・パート2。

翌週に、でなく1ヶ月後に、というのがイイね。戦争終わってない分、こうしてじんわり続くというのは。力みなく、今後も続くようで。

自分が知っているのは有名な標題曲(前回同様、大学時代に70年代特集で知った)程度だけれど、今日の放送を1ヶ月後を楽しみにしていたのは、他のリクエスト者も「心に沁みた」「賛同」と支持しているように、宇崎竜童サンの解説というか語りが、とても味わい深くきかせてくれるから。前回も数曲、読み上げられた和訳歌詞も素晴らしくて、じっと耳を傾けてしまう。

曲紹介で「カッコイイ」という氏を、自分がカッコイイと感じてる(きっと多くのリスナーも)。曲の合間の語りに魅せられて、気付くと紹介された曲のことも知った気にさせてくれる。。

「カッコイイがないと音楽は説得力がない」というとおりのことを番組自体が体現している、と納得。

雨を見たかい

ダブル・ミーニング

今日聴いたLEGENDS、宇崎竜童パーソナリティの今こそ反戦歌を歌おう、の一曲。

反戦歌シリーズ、次回もやるとか、今日の前半週は、ダブル・ミーニング、それとはっきりは云ってないが、の選曲らしい。

1970年の標題曲を自分が知ったのは、大学入学後にきいたラジオが1970年代の名曲を日替わりだったか週替わりだったか、1年ずつ紹介していた番組で。録音したテープをしばらくよく聴いていたのは覚えているが、今となってはどんな番組だったのか何のきっかけでそのラジオ番組に興味を持ったのかも全く思い出せない。

在学中のゼミ旅行でサイパンに行ったとき(=バブルそのもの…)の現地ドライブで流れたのが印象的でいい想い出になってくれている、当時は、ほんの十年少し前の歌でももう古典的名曲の扱いだったが、恥ずかしながら、今回40年近くぶりくらいにきいた今日までダブル・ミーニング、反戦のメッセージがあることを知らずにいた。。天気雨さながら自分も能天気だったし時代も浮かれていたし。。

radikoもネットもなくて情報に接することのできる限定性がもたらしてくれる幸運や幸福は、今よりずっと大きかったと思うが、今日のは今日で、宇崎竜童の解説、語りがとても味わい深く聞き入った。

わかれうた

金曜の夕食中のTV

チャンネルを変えていると、NHKでやっていたのが

中島みゆき、深夜に突然トレンド入り NHK「名曲集」放送「命の別名」にも注目

開始後5分で運良く遭遇した自分も知らずにいたのでビックリ(0時25分~1時54分)。

ただ自分は「飲んで帰って…」でなく、この時間に普通に仕事から帰っての夕食時── というのが多い最近。

もう再々放送? くらいなようだが、ちょうど金曜だったので疲れた一週間のいい癒やし・・・にしては、終盤の迫力に凄みあり。

自分が中島みゆきを同時代的に知ったのは「わかれうた」(1977)からで、ただ、その後のアルバムで提供曲だったのを初めて知った「しあわせ芝居」がもしかすると先かもしれない・・と、今は何でも調べてすぐ分かる時代、WIKIによれば、ともに同じ1977年の、ザ・ベストテン初回放映の4位と3位に並んだというおまけ付き。

当時、みゆきさんはTVには絶対出なかったのにラジオや有線(!)で当時小5の自分も覚える、それこそ口ずさむ・・くらいのヒットでありインパクトのあった歌。また、しあわせ芝居の方も、10歳にして詞の世界や曲調に感じるものの大きかったことをよく覚えている。レコード買うわけでもないのに、両曲ともTVとラジオだけで聞き覚えしていた時代。

5000m記録会

新年度

昨年のエントリで今後1年におののいていたとおり、昨年も改めてハードな年(度)だったが、今年度もさらにまた。。(一体いつまで)

休日も含めて数年来、走れる環境にない中、今日は競技役員も、だったので睡眠確保どころかさらに1時間早起き、合間出場なのでアップは1kmのみ、3月は月間185km(=嘆く、というより、結構走ったな! と思える)の中、それでも昨年も書いたように、出場そのものが体力づくりとしての挑戦。

結果、17.18.85と昨年よりさらに30秒近くタイムは落とす。仕事に限度がないように、走力低下にも底はない? ようだが、ケガ無く、出場できるタイミングがあればまた走ってみたい。



今日(4月2日)は世界自閉症啓発デー